本の紹介と感想、十文字のホームページ

画像は蒲郡の竹島です。

目次

新着へ7月20日

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bc級戦犯と戦争

ページ 2

宮部 みゆき 作「楽園」
姥捨伝説 楢山節考 深沢 七郎 著
横山 秀雄 著 「ハンオチ」
 有吉 佐和子 策 「非色」
祖国へ熱き思いをー1日系アメリカ人の軌跡
戦災孤児の中の勝ち組の物語
「長崎の鐘)に見る原爆の惨禍
ローマ人の物語 塩野 七生 著
心の扉を開く 河合 隼雄 著
暴君ネロ・ローマ人の物語 7
松本 清張の「点と線」再読
三浦しおん 著「まほろ駅前多田便利軒」
名もなき毒  宮部 みゆき 作
世にも美しい数学入門
p・コーンウェル作 「私刑」
カラマーゾフの兄弟
本格焼酎の話し
ダヴィンチコードと聖杯伝説
乃南 あさ 「結婚詐欺師」
宮島秀樹他 「食べ物から広がる耐性菌」
宮部みゆき 「孤宿の人」
乃南あさ 「駈け込み交番)
嵐山幸三郎 「文人悪食」
 盲人が登場する小説
軍事、外交の裏面における暗号解読
有吉 佐和子  作 「紀ノ川」
夏目 漱石 作(彼岸過ぎまで)
遠藤周作 著「女の一生)第二部
中卒の非行少女が弁護士に
崇徳院とその時代
宮部 みゆき 作「ぼんくら」

はじめに

私は子供の頃から文字を読むのが好きでした。
身近にある本や雑誌、新聞を手当り次第乱読していました。
そんな私が40歳を過ぎた頃から目の難病で文字が読めなくなり本当に暗く退屈な日々を
過ごしていました。
丁度その頃から録音図書が普及し始め本に飢え渇いていた私はこのテープ図書に飛びつき
ました。点字がろくに読めない中途失明者にとってはこれは大きな福音でした。
それから20年余り耳で聴く読書を楽しんでいます。
これからこのページで独断による本の紹介と感想を書いてみたいと思っています。
私のささやかな読書経験が皆さんの読書の参考になればと願っています。

録音図書と私

私がテープ図書の恩恵を受けるようになって20年以上になります。
その間に聴いたテープは千タイトルを越え私が人生の前半に自分の目で読んだ本よりも 
遥かに多くなりました。
中途失明の私は点字を読む能力がかたつむりの歩みにも似て遅く、とても読書の役に立ち
ません。もしも録音図書と言うものがなかったとしたら私の失明後の人生はおそらく暗く
退屈で味気ないものになったであろうと想像しています。
読書することは知識を得るだけでなく、
心の糧ともなり、魂に慰藉を与えてくれるものです。
ところで私が声の文庫を利用し始めて間もない頃でした。
暗く沈みがちな心に、一条の光がさしこんで来たかのような、
忘れ難い一冊の本に出会いました。
それは神谷 美恵子 著「生きがいについて」と言う本です。
そこでは誰もが人生の途上で必ず一度や二度遭遇する不運 病気 失意 絶望などを、人
はいかに受けとめ、乗り越えて行くかを多くの実例をあげて分析したものです。
具体的にはハンセン病療養所で、医者である著者が患者にじかに接した体験をもとにして
書かれていました。ハンセン病が難病である上に失明する人が多いことを知ったことも驚
きでしたが、自分の生活や利益を二の次にして苦難を背負って生きる患者に優しいまなざ
しを向け、暖かい愛のてを差しのべた人がいたことに深い感銘を受けました。
ボランティア活動をする人々も神谷さんと志を同じくする人ではないでしょうか。
失明したとはいえ豊かな国、便利な時代に生まれたことを感謝すると共に目と声を提供し
て我々盲人を支援して下さるボランティアの人たちにも心からの感謝を捧げます。

本の紹介
佐藤 健 著(生きる者の記録)を読みました。
世界一の長寿国であるわが国で死亡原因の第一位を占め続けているガン。
今は健康に過ごしておいでの方でも心のどこかに或は無意識のうちにガンに対す
る不安と畏怖を抱いている人が多いのではないでしょうか。
そんな時代に一人の新聞記者が末期の肝臓ガンであることを告知されました。
その時この人が決めた態度と行動は今まで前例のないユニークなものでした。すなわち
それはガン患者である自分の闘病記をリアルタイムで自分の属する新聞、毎日新
聞に載せることでした。
それにより全国の何十万の読者の目にふれ男女を問わず若い人から高齢者に至る
まで大きな反響があり多数の感想が寄せられたそうです。それらの手紙の一部は
単行本にも収録されました。
私が読んだのは新聞紙上ではなく記事を中心にまとめたその単行本「生きる者の
記録」と言う本でした。
告知を受けてからなくなるまで約一年半くらいの歳月のうち、入院していた期間
は放射線治療を受けた時期と臨終前の約3ヶ月でした。そのほかは記者としての仕事を続
 けました。その間に連載記事である阿弥陀の来た道の取材のため中国奥地の砂漠地帯に
2度も出かけています。
また全国からガン患者が集まってくると言う秋田県の湯治場、
玉川温泉にも出かけてそのリポート記事も書いています。
今ではガンは告知されることが多くなりましたが治る人の方が少ない難病です。
大部分の人は限られた命であることを否応なく自覚させられ自分の死を考えざる
を得ません。そんな境遇に立たされた時この新聞記者のようにやるべき仕事、 
与えられた使命がある人の方がそれがない人より幸せなように感じました。

身障児の親としての太宰 治

皆さんの中には太宰 治が好きで多く読んでおいでの方もあると思います。
私は二十歳前後の頃比較的長いものを主に読んだ覚えがありますが、短いものはほとんど
読んでいませんでした。
今日、青空文庫の目録を見ていたら短編がずらりとファイル化されているのに驚きました。
その中に私も読んだ覚えのある桜桃がありました。
懐かしく思いダウンロードして何十年かぶりに読んでみました。
若い頃には幼い子供と奥さんを残して愛人と情死するなんて何と無責任で不甲斐ない男だ
と断罪する気持ちが強かった事を覚えています。
今、人生の終着点へ近ずいてから読んで見るとそんな気持ちは全く起こりませんでした。
この夫婦が身障児、おそらく脳性マヒと思われる長男のことが常に気にかかり、心を痛め
ているかがよくわかります。
身障者自信がその障害について悩むのはごく自然な事ですが、障害のある子を持つ親の 
 悲しみとつらさは障害者本人のそれと同じかそれ以上かも知れないと感じました。
太宰おさむの命日は桜桃忌と言い6月19日です。この忌名がつけられたのを見ると
桜桃が絶筆になったのでしょうか、あちこちに自殺と言う言葉が散見されます。
お墓は三鷹市の禅林寺にあり命日には今でも参拝に訪れる人々の供える花で埋まるそうで
す。ちなみに津島ゆうこさんは彼の娘であり、奥様もかなり長生きされて天寿をまっとう
されたようです。以下のリンクにアクセスするとすぐ本文が読めます。

青空文庫へ

ブック革命

横山 三四郎 著「ブック革命ー電子書籍が紙の本を超える日」と言う本を読みました。
字が読めなくなってもう久しく、本屋へ寄って少し立ち読みしてから買ってくると言うこ
とがなくなりました。
その間に本をめぐる環境がだいぶ変化しているようですね。
都会では目抜きの場所に大書店がいくつも開店し田舎でも都会でも中小書店が経営不振で
廃業する店が続出しているそうです。
またブックオフに代表される新古書店が再版制度のすきをついて急成長し出版社が不況だ、
本が読まれなくなったとぼやいているのを尻目に相当な利益を上げているようです。
それに加え電子書籍がジワジワ進出してきてやがては紙の本を抜く日が来ると予想する人
もいます。
この本で私が一番興味を惹かれたのは本は緑を食うと言う章でした。
日本は紙を贅沢に使いながら国土の7割が森林に覆われている緑の国です。
これに反し隣の中国は経済成長とともに深刻な紙不足の状況だそうです。
すでに森林は国土の12パーセントしかないのに今でも少ない森が切り続けられ国土の 
荒廃と砂漠化が進行中です。川は清流というものがなく汚れた水が僅かに流れているだけ
だそうです。
日本でも国内の森林資源だけを紙や材木に使っていたなら中国と同じく国土は赤茶けた 
禿山に変わってしまっていたことでしょう。
豊富な外貨のお蔭でパルプや木材を大量に輸入できた事で国土の荒廃を免れています。
その代わり外国のどこかの森林が食い荒らされその土地に深刻な環境破壊を引き起こして
いるに違いありません。
時あたかも温暖化防止の京都議定書が発効しました。
森林を守ることは温暖化防止にも役立ちます。
紙に変わる電子媒体の開発が進展しています。この文明の利器の使用を国を挙げて促進す
べき時ではないでしょうか。

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